11月3日(火・祝)に開催された、ホームシェアホスト説明会をレポートします。

82歳でホームシェアホストをスタート!
KENJIさんのホスト体験記

説明会では、昨年82歳でホームシェアホストを始めた、千葉市内にお住まいの神長健二さんに体験談をお話いただきました。

KENJIさん

昨年、千葉市のイベントホームステイにホストとして参加してことをきっかけに、住宅宿泊事業法の届出をし民泊を始めた健二さん。彼がホームシェアホストをはじめたのは、息子の尊士さんからの提案がきっかけでした。尊士さんは80歳を超え一人暮らしを行っている父親のことを気にかけながらも、自然と会う機会が減ってしまっていたので、「ホームシェアをはじめることで親と子の関係性が見直せるのではないか」と感じたといいます。

KENJIさんの息子の尊士(たかし)さん

年とともに趣味が減り、人と接する機会が少なくなっていた健二さんですが、もともとは海外旅行が大好きで世界各地を旅していました。「今は高齢になり旅行をするのは難しいけれど、こちらから海外に出向くのではなく海外からこちらに来てもらえば、父の楽しみが増えて生きがいができるのではないかと考えました」と、尊士さん。もともと人を招くことが好きで、自宅でお茶処をしたり、仲間とバーベキューをしていた健二さんは、「面白そうだしやってみよう」と即座に息子さんからの提案に了承しました。

イベントホームステイを行うにあたって、特別な準備というのはほとんどなく、「不要なものを捨てて掃除を行い、部屋がキレイであればゲストを迎え入れることができる」と感じたそう。しかし、健二さんはご高齢ということもあり、マッチングプラットホームへの登録やその他の事務的なやり取りは、尊士さん会社の同僚の貴美子さんが補助ホストとしてサポートしてくれました。

そうして本番のイベントホームステイで迎えたゲストは、ウクライナから来たテコンドーの選手、ダリアさんとそのお父さんのアンドリュー。ダリアさんは世界選手に出るほどの実力の持ち主で、日本で行われる大会に出場するために、監督であるアンドリューさんと来日されました。

ダリアさんとアンドリューさん親子

ゲストとの思い出の中で、健二さんが印象的だったのは、アンドリューの飲みっぷり

「ウクライナの冬はマイナス20度にもなるので、彼は毎晩ウォッカを飲んでいるそうです。最初にビールを出したら、『ノンノン、これは水だ』と言って、隣にあった日本酒を指差して『酒、酒』と欲しがるんです。結局その日は2人で1升空けて、翌日も1升飲みました」

実は健二さんは英語が話せません。「私は英語が分からないので、身振り手振りで話しましたが、通じましたよ。主に酒の話でしたが、政治の話も少ししました」と仰っていました。

アンドリューさんとすっかり意気投合したKENJIさん

帰国後もダリアさんとSNSでつながっていて、お互いの近況報告にコメントをしあったり、健二さんの誕生日にはダリアさんがメッセージを送ってくれたりと、旅行が終わっても家族のようなやりとりが続いているそうです。

はじめての回転寿司にトライ

実際にホームシェアをしてみて感じたことは、「外国の方が来られると、その国のことがよく分かるので楽しいですね。これからも色々な人に出会いたいです」と、健二さん。また、親子関係にも良い変化があったそうです。尊士さんが『掃除どうなってる?』『体調どう?』『ゲストはどうしてる?』など、頻繁に電話して健二さんの家に訪れるようになり、親子の会話や交流が増えました。

尊士さんはこれからもホームシェアを通じて、①たくさんのゲストを迎えて世界中に家族を作る、②近所にある書道やそろばん教室への体験ツアーを企画したり、お花見へ行く企画を実施する、③今後も継続的にゲストを受け入れてホームシェアの普及に努める、④ホームシェアをきっかけに、同じようなホストと仲間になって横のつながりを作る、という4つの計画を実現を目指しています。親子やゲスト、地域社会など様々な人たちの交流が生まれるホームシェアには、まだまだたくさんの可能性を感じますね。

ホストを「とても楽しんでいる」というKENJIさん

ちなみに今年のコロナ禍の中でも、健二さんのもとには大学院の獣医の試験を受けるために日本に住んでいるという中国の方や、日本人の若者二人組が馬術大会に出るために宿泊されたそうです。海外からのゲストだけでなく、国内の旅行者の間でも民泊需要が高まっていることが伺えます。

尊士さんがゲストの方になぜ民泊を利用するのかを尋ねると、「民泊のほうが、日本の普通の暮らしをしている人とコミュニケーションがとれて、日本の文化を知ることができるからです」と教えてくれたそうです。

実際に自分がやってみると、海外の方が泊まることに不安を感じる必要は全くないと感じました。ぜひ興味のある方はトライアルイベントに参加していただきたいと思います」

▼KENJIさん・尊士さんのお話の動画はこちらからご覧いただけます

安心して利用できる宿泊場所のマッチングプラットホーム
「Airbnb(エアアンドビー)」の紹介

また、この説明会では、ホストを支える2組のゲストにご登壇いただきました。

「東京2020大会におけるホームシェアの役割とレガシー」と題しお話をしていただいたのは、Airbnb Japan株式会社執行役員の長田英知様

Airbnbは2008年に誕生し、現在220の国と地域で700万以上の物件を掲載している、宿泊場所のマッチングを行うプラットホームです。利用者が安心・安全にAirbnbを利用して旅行できるということを非常に大切にしており、その仕組についての説明されました。また、国際オリンピック委員会(IOC)の公式パートナーとして行っている活動や、これまで大規模イベントと提携して行ったイベントホームステイについて、さらに地域や人と連携し新しいおもてなしを作り出すことで、地域の課題解決を行った実績なども紹介しています。

▼Airbnb長田さんのお話の動画はこちらからご覧いただけます

千葉市ホームシェアホストの説明と
新型コロナウイルスによる観光の変化

これまで20年間、観光分野に特化した活動を続け、数々の自治体のシェアリングエコノミー事業や民泊事業の立ち上げや運用をサポート、また自らも民泊を運営されている、株式会社トリップシード代表取締役小柳秀吉様。小柳様には、千葉市ホームシェアホストの説明と今回実施されるイベントホームステイの概要についてお話いただきました。また、今年起きた新型コロナウイルスによる観光の変化や、ホームシェアを行う際にコロナ対策として民泊施設で注意する点についても詳しくご説明いただきました。

▼トリップシード小柳さんのお話の動画はこちらからご覧いただけます

「イベントホームステイトライアル」ホスト募集中!

千葉市では、来年開催される東京2020大会を見据えて、ホームシェアホストを募集しています。2020年12月8日(火)から16日(水)の期間に、これから民泊をはじめることを検討している方を対象として、民泊受け入れのトライアルイベントを実施。身元が明らかなゲストを迎え入れるので、はじめての方でも安心して取り組めます。興味のある方はぜひお申し込みください。
※申込み〆切:11月23日(月・祝)

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