「私にできること」を知ろう!
パラレルキャリア実践セミナーレポート

千葉市シェアリングエコノミー推進事業、2020年度第1回目のセミナーは、認定NPO法人サービスグラントの上原一紀さんを講師に迎えて開催。ご自身もパラレルキャリアを実践している上原さんに、スキルシェアの必要性やスキルシェアを通じて社会とどう関わっていくかのヒントについてお話を伺います。

なぜ今、パラレルキャリアに取り組むのか?


パラレルキャリアとは、「複数の軸足を持った働き方でキャリアを築く」こと。
人生100年時代と言われる今、現役時代⇒第二の人生というような従来の考え方ではなく、本業と平行させて副業や社会活動を行い、スキルを磨いたり人脈を広げながら仕事もライフスタイルの一つとして捉えようとする人が増えています。

講師の上原一紀さん(右)

「長生きをして老後が長くなると、単純に考えて仕事をする期間も伸ばし、稼がかければならなくなる。そこで、様々なかたちのキャリアを経験して人生を豊かにしようという考え方がパラレルキャリアです。<平均寿命の伸長><新しい産業と消滅する産業><仕事マッチングサービスの拡大><新型コロナウイルス感染症>などという社会の変化に伴い、個人も変化していく時代。従来のライフスタイルにとらわれず、一人ひとりのキャリア&生き方を楽しむためにも、いかに主体的にキャリアを作るかが大事になってきます

自分がどんな資産を持っているかを知ろう!

人生100年時代を生きる戦略が書かれたリンダ・グラットン著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』には、100年時代を生きる上で欠かせないものは、<見えない資産=無形資産>だと記されています。

無形資産には ①生産性資産(知識・スキル・人脈)、②活力資産(健康・人間関係)、③変身資産(変化を楽しむ気持ち)があります。これらは、長い人生を豊かにしてくれる、お金に換算できない、売買ができない、ある程度の期間にわたり恩恵を生み出せるもの、メンテナンスや投資をしないと価値が減少する、生まれつきではない要素が大きい、というのが特徴。つまり、自分の心がけ次第で身につけることができるものです」

セミナーでは、ワークシートを開いて、実際に自分の資産にはなにがあるか書き出し、自分自身を見つめ直す時間が取られました。その結果が、「これからどう時間を使っていくのか」というヒントになります。

パラレルキャリアの第一歩をどう踏み出すか?

上原さんは自治体の職員のときに行った海外研修がきっかけで、もっと社会に貢献したいという気持ちが強くなり、転職。転職を通じて自分自身について振り返りながら、プロボノや勉強会へ参加したり、シリアスゲーム団体の立ち上げなどを行い、自身のパラレルキャリアを歩んでこられました。

「私の場合、最初の5〜6年は無報酬でパラレルキャリアを行っていましたが、この時期に自分の貢献できるスキルを高め、人脈を広げることができ、とても良い経験ができたと思います。今は副業からも収入を得ていますが、お金を稼ぐことを目的にパラレルキャリアを築くというよりは、自分自身が成長できたり、新しい人とつながれる、自分自身が変われる、社会に貢献できるということを目的にしています」

パラレルキャリアをスタートする時の第一歩としておすすめなのは、「人の話を聞いてみる・イベントに参加する」、「プロボノや社会貢献活動に参加する」、「自分の得意領域を生かして、仕事マッチングサービスを利用してみる」の3つ。

人の話を聞いてみる・イベントに参加する

「人の話を聞いてみる・イベントに参加する」は簡単ですが非常に大事な一歩。興味のある話題・人の話には、生き方のヒントもたくさん詰まっています。その時の感動を最初の一歩の原動力にしてほしいです」

プロボノや社会貢献活動に参加する

ラテン語で「公共善のために」という意味「Pro Bono Publico」を語源とする「プロボノ」は最近注目されている活動で、社会人が職業上のスキルや経験を活かしてNPOや地域活動団体等の支援をするボランティア活動です。

「プロボノを行う人は年々増えていて、現在は6000人以上の方々がサービスグラントのプロボノ参加登録をしています。プロボノはかなりお仕事に近い内容のボランティア活動というのが特徴で、サービスグラントでは、あらかじめ定められた期間で5〜6人のチームを組んで行います。様々な業種・職種の人が協働するので、視野が広がりスキルアップもでき、ネットワークも広がります。なによりも、社会貢献ができ、NPOの方にとても感謝してもらえるのでやりがいも感じられます

仕事マッチングサービスを利用してみる

また、仕事マッチングサービスを利用してみるのも良いきっかけになるそうです。

「仕事マッチングサービスは、利用登録するのは無料なので、自分に何ができるかを考える良いきっかけになります。また、自分が発注する側として使ってみても良いと思います。まずマッチングサイトを見てみることが大事で、『こんなことが仕事になるんだ!』という発見もあるので参考にしてみてください」

上原さんはマッチングサービスを利用して撮影依頼をした写真がこちら

セミナーの最後に、上原さんが考える一番大事なスキルについてお話されました。

「プロボノでは、個人が持っている<専門スキル>はもちろん活かせますが、<ポータブルスキル>という社会人なら誰でも身につけている力が活きることが意外と多くあります。また、最も大切なのは<スタンス>です挑戦したい、自己成長したい、誰かの役に立ちたいというスタンスが新しい一歩を踏み出す大事な力になります。これは、プロボノに限らず、パラレルキャリアを築くうえで役立つものになると思います。みなさんもぜひ一歩踏み出したいことを考えてみていただければと思います」

▼セミナーの動画はこちらからご覧いただけます